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2016年11月3日 21時09分

とある遺産の財産目録

カテゴリー:税務・会計

前回は相続税について取り上げましたが、それに関連して少しばかり。

相続財産で難しいのは、実は現金の評価です。
正確には、現金の「行方」というべきでしょうか。
預金口座から引き出した現金がその後何に使われたのか、誰の手に渡ったのかを把握しなければなりません。
資産の購入に充てていれば、その資産を相続財産として計上することを検討し、他者に渡っていれば贈与の可能性もあります。

相続税法の試験ではまず問われることのなかった、この現金に対する対応に神経を使います。

アナログ的な手法ですが、大きめの用紙に口座ごとに線表を書き、それに大口の入出金額を時系列に従い埋めていき、行先が不明な出金について相続人等に確認していく、という作業をしていきます。
多くの場合、車を買った、入院費用に充てた、保険に入った、とか使途が明らかになるのですが、相続人に聞いても分からないような出金が1つ2つはあるもので、こういう判断のつかないものは「何かに使った」と考えるしかありません。
(イタコの口寄せにお願いして聞こうか?)

生前に相続対策のご相談を頂ければこのような事態も防げるのですが、なかなか難しいです。
こちらから「個人の通帳見せろ」とも言いにくいので。

で、お願いなのですが、どうか古い通帳は捨てないで下さい。
最低でも亡くなる直近五年分、長ければ長いに超したことはありません。
金融機関で取引明細を取り寄せることもできるのですが、いちいち手数料を負担しなければならなくなります。
あと、通帳にメモ書きが残っていて、それで使途が判明する可能性もあります。

遺品を整理する時に、少し注意してみて下さい。

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