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2019年6月30日 20時45分

減税の味方

カテゴリー:税務・会計

事前の手続き無しに、申告時の処理だけで出来る税額控除ということでお馴染みの「所得拡大促進税制」。
簡単にいうと、一定の要件を満たした上で、従業員に対し前期よりも多く給料を支給すると、その増加分の一定割合が法人税から控除されるというものです。

実はこの制度、平成30年4月1日から始まる事業年度(通常の一年決算法人の場合であれば平成31年3月31日が決算日)から法改正が入っています。
改正前の制度では、私も計算していて実際に直面したのですが、ちょっと困った問題がありました。
というのも、従業員一人当たりの平均給与を出し、それが前期より増額していることが求められている点で、仮に新入社員を採用した場合、まだ給与水準が低いことから平均給与を引下げてしまい、その結果要件を満たすことができず、税額控除を受けられない羽目になってしまいます。
雇用環境を良くするための政策が、新規採用を抑制しかねないことになります。

ということで、改正により、計算の対象者は前期と当期全ての月(通常であれば12ヵ月+12ヵ月=24ヵ月)で給与の支給を受けている従業員のみということになり、期中で採用になった者の給与は除外されます。
対象者が限定されることで、計算もやり易くなり実務的にも分かりやすくなった印象です。

ちなみに賞与の支給額も本規定の対象になります。
ですので、決算の直前時期に前期当期の給与支給額を比較して、わずかに要件を満たさないようであれば、決算賞与の支給により給与額を調整し適用を検討するという対応も可能です。

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