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2016年4月3日 20時38分

大剣は振り回さないクラウド

カテゴリー:税務・会計 , 話題

「クラウド」という言葉が世に出始めた頃、つい90年代後半に発売された某人気ゲームのキャラクターを思い浮かべてしまった30代後半です。
某人気ゲームのほうもまたリメイクされるようですが。

さてそのクラウド会計ですが、直近の確定申告では何件かの申告の一部についてクラウド会計を利用しました。
正確には、会計の部分でF社のクラウドを使い、申告自体はベンダー系ソフトを使っています。
今回は実際にクラウド会計を使って気になった点について触れたいと思います。

どうしてもネット回線を使う以上、レスポンスの悪さが一番気になります。
これはソフトの問題ではなく私のネット環境のせいもありますが、大量の取引を「ダカダカダカーッ」とキーボードを叩いて入力するには不向きな気がします。
現金取引が主体の事業者さんは、記帳処理を溜め込まずコマメに入力することが必要で、数か月分を一気にやろうとすると反応の遅さにストレスが溜まります。
夏休みの宿題をまとめて一気にやるタイプだった事業者さんは要注意。

逆に預金口座やクレジットカードでの決済が主体の事業者さんにとっては、有効なツールだと感じました。
口座やクレカと同期処理すれば、取引の自動記帳により入力作業は省けます。
ただこの場合でも、勘定科目が正しいか、家事費は含まれていないか等最低限のチェックは必要になります。
経理担当者のレベルによって、記帳の精度が大きく左右されてしまうので、その水準に応じて毎月⇔年1回といった形で、専門家のチェックを受けた方が良いと思います(もっとも、このソフトは「税理士要らず」が売りらしい)。

手入力での記帳についてですが、う~ん…使いやすいのかなぁ???
私は仕訳形式の入力に慣れてしまっているので、項目を1つずつ選択していくのは面倒に感じますが、簿記に疎い方にはこの方が良いのかもしれません。
あとは、ちょっと特殊な取引になると、入力し辛くなる(無理ではないですが)のも気になります。
私は現在のところF社のみの利用ですが、他社のクラウド会計ですと仕訳入力が中心のところもあるようなので、どのソフトが自社に適しているか比較検討するのが良いでしょう(無料のお試し期間もあります)。

とまあ不満もありますが、それでも事業者と税理士がネットを経由し会計情報を共有できるのはかなりのメリットです。
現状いくらの損益かを把握していない社長さん、結構いらっしゃいますから。
コスト的にも、インターネットに繋がる環境があれば、それプラス個人事業者で年1万円程度、法人で年2万円程度と許容範囲内にあると思います。

F社のクラウド会計を利用する事業者は50万社を超えるとのことで、国内にある中小企業・小規模事業者約380万社の1割以上を既に占めています。
おそらく今後は会計ソフトもクラウドの流れに飲み込まれていくのでしょう。
事業の代替わりや経理担当者の交代等のタイミングで、クラウドへの移行も含め会計処理の業務フローを見直してみては如何でしょうか。

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