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2016年4月7日 21時16分

大切な指標

カテゴリー:税務・会計

十和田市内の小学校は今日7日が入学式でしたが、残念ながら午後からは雨模様となってしまいました。
本日は天気に恵まれませんでしたが、新生活スタートの時期ということで新たな気持ちで事業をされている方もいらっしゃると思います。
そんな時期にピッタリ…かどうか分かりませんが、今回は経営分析に役立つ財務指標についてお伝えしたいと思います。

財務指標として重要なものは事業内容や事業規模に応じて色々あります(ネットで検索すれば山ほどヒットします)が、この指標は日々の取引を正しく記帳し、月次の試算表が正確なものであることが前提となります。
ただ中小零細企業の場合、記帳の能力が十分でないことも多く、折角の財務指標も正確性を欠くものとなりがちです。
そんな中でも私が思う、これは見落とせないと言える指標がいくつかあります。

◇当座比率(=当座資産÷流動負債×100%)
短期的な支払能力を示す指標です。
資金ショートのリスクを把握するという意味で重要となります。
一般的には流動比率(=流動資産÷流動負債×100%)で判定しますが、流動資産の中には棚卸資産(在庫)が含まれており、毎月の在庫棚卸確認を行っていない会社の場合、流動比率の精度は大きく下がります。
そこで棚卸資産の存在は無視し、当座資産(=流動資産-棚卸資産)と流動負債との関係で支払能力を見ます。
当座比率が100%を超えていればまずは安全圏。
売上債権、仕入債務の計上漏れの無いように注意して下さい。

◇自己資本比率(=自己資本÷総資本×100%)
財務基盤の安定性を示す指標です。
その会社の基礎体力とでも言うのでしょうか。
理論的には50%以上が優良と言われますが、日本の企業は借入金の比率が比較的高いということもあり、25%以上であればまあ問題なしと見ます。
中小企業の場合はさらに低く20%前後でもまずまずと判断します。
自己資本は、株主からの拠出金と過年度利益の内部留保から構成されます。
節税にばかり意識が向いてしまい、内部留保が薄いままだと、いつまでたっても自己資本比率が低いままということになります。
ちなみに役員からの借入がある場合は、実質的には自己資本と同視できますので個人的にはこれも自己資本とみなして計算しても良いと思います。

◇売上高営業利益率(=営業利益÷売上高×100%)
言わずもがな、本業での利益率を示します。
これは試算表を見てすぐに着目する指標のはずですから良いのですが。
この指標とセットで見たいのが総資本回転率(=売上高÷総資本×100%)です。
売上高営業利益率と総資本回転率でもって、元手とそこから得られる営業利益との関係を見ます。
ざっくり言うと、
・売上高営業利益率は付加価値の大小
・総資本回転率は営業活動の効率性の良否
を示します。
営業利益の獲得が、付加価値の大きさによるものか、効率の良さによるものかを判断することが出来ます。

財務指標は健康診断の各種数値(血糖値やBMI等)のようなもので、大雑把に経営状態を見るのに役立ちます。
月次の試算表や決算書からこうした数値も確認し、今後の経営判断に是非ご活用下さい。

 

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