ブログ

2018年2月4日 20時20分

払って、貰って

カテゴリー:社会保険 , 話題

大阪で32年に渡り厚生年金保険料の納付を滞納していた会社に対し、年金事務所から大阪国税局に徴収権限を委任し、財産を差し押さえ回収に至ったという報道を目にしました。
滞納を続けた会社もどうかと思いますが、そこまで滞納を許し続けた行政サイドにも問題があるかと…
未納のまま法人が解散し、経営者も行方知らずとなっていたら、どうなっていたのでしょうか。

そんなわけで、今回は社会保険の話を。

ご承知の通り、法人の役員・従業員には社会保険の加入義務がありますが、従来は「未加入のまま何となくやり過ごしていた」事業者も実は結構ありました。
数年ほど前から潮目が変わり、年金事務所のチェックも厳しくなり、現在は加入せざるを得なくなっています(当然と言えば当然ですが)。

私も新規適用の手続きを複数やらせていただきましたが、会社側は観念して加入すると言っても、労働者側が掛けたくないとゴネるケースがあります。
特に「65歳以上で既に年金を受給しながら働いて給料も貰っている」ような高齢の方に多い印象です。
社保に加入すると、目に見えて手取りが減るので、入りたくないという気持ちは分からなくもないですが、実は恩恵も十分にあるので、事業者としてはその辺りも説明した上で、納得して加入して欲しいところです。

65歳以上で既に年金を受給している方の場合、退職時または70歳到達時に改めて年金額が計算され、それまでに負担した保険料が反映された年金額が支給されることになります。
「払った分の元が取れるのか」という疑問も浮かびますが、これは「どれくらい長生き出来るか」と同義です。
早死にすると払い損ですし、長生きすればするほど得することになります。
まあ、老齢年金ってそういうものですから、この点は割切るしかないです。

どうしても社保を掛けたくないというのであれば、勤務日数や勤務時間を調整し正社員の4分の3未満に抑える(いわゆる4分の3ルール)という手もありますが、これも現実的ではない気がします。
手取りが減るのが嫌で社保加入を回避しておきながら、勤務時間を減らしたことで基本給自体が減ってしまっては本末転倒ですから。

この他、年金を貰いながら社会保険を掛けて働く場合の注意点に、年金カットの問題(在職老齢年金というやつです)があります。
ありますが、田舎の労働者にはまず無縁の話なので、気にせず働いて下さい。

年金カットについては、高所得の役員さんの場合は該当するケースもあるので、この点については機会を見ていずれまた。

LINEで送る
Pocket

ブログの一覧へ戻る▲