ブログ

2015年9月30日 20時32分

年金一元化に付随するあれこれ

カテゴリー:お知らせ , 社会保険

以前お伝えした通り、この10月から厚生年金と共済年金が一元化されます。
両年金の制度上の差異については、基本的に厚生年金制度に揃える形になりますので(つまり公務員の年金制度に手を入れます)社保に加入している事業者にとっては、事務処理上の大きな影響は無いと思われます。
ただ、一部について厚生年金にも変更がありますので簡単に触れておきます。


同月得喪の取扱い
同月得喪とは、厚生年金の資格を取得したその月に同資格を喪失し、国民年金の資格を取得した場合をいい、例えば「会社に入社してその月内に退職した場合」などが想定されます。
この時の資格及び保険料負担の有無について改正となります。

改正前は、その月については厚生年金と国民年金の両方の資格を取得することになるため、保険料も2重に負担するという取扱いでした。
改正後は、国民年金のみ資格を取得し、厚生年金の資格及び厚生年金保険料の負担は無いことになります。

将来の年金額の増減とも絡む話なので一概に有利不利は言えませんが、取り敢えず目先の負担は少し減ることになります。
公的年金を信用していない方にとっては負担が減る方が良いのでしょうか…


退職改定の取扱い
前提知識としてちょっと細かい話ですが、厚生年金の資格を喪失するのは退職日の翌日と規定されています。
そのため月末で退職した場合、資格喪失日は翌月1日ということになります。

これを踏まえた上で
既に年金を受給しつつ厚生年金適用事業所に勤務されている方が退職した場合、年金額の改定を行うのですが(在職中に負担した保険料を考慮に入れて年金額を再計算するわけです)この改定のタイミングが変わります。

改正前は、資格喪失日から1月を経過した日の属する月から改定
改正後は、退職した日から1月を経過した日の属する月から改定

文言の違いにお気付きでしょうか。
この違いにより、月末退職の場合1ヶ月分の年金額が変わることになります。
例えば、10月31日に退職した場合、改正前の規定では12月から年金額が変わりますが、改正後では11月(つまり退職の翌月)から変わることになります。

退職改定の場合、年金額は増額になるでしょうから、1月分とは言えその時期が早まるのは受給者に有利な改正でしょう。


在職支給停止の取扱い
年金と給料の合計額が限度額(平成27年は月ベースで60代後半以降は47万円、60代前半は28万円が限度)を超えると、年金の受給額が一部カットされてしまう「在職老齢年金」という極めて理不尽な制度があります。
制度の詳細は割愛するとして、年金カットとなる在職支給停止の対象者についても改正されます。

改正前は、昭和12年4月1日以前生まれの方は対象外(支給停止されない)
改正後は、全ての方が在職支給停止の対象

昭和12年以前生まれの方でまだ働いている方はそう多くはないでしょうが、もし職場内にいらっしゃる場合は、年金カットにならないよう業務量と給与支給額について話をしてみるのも良いと思います。

その他、年金額の端数計算なども変わるのですがこの辺は役所サイドの話なのでまあいいでしょう。
長くなったのでこのくらいで。

LINEで送る
Pocket

ブログの一覧へ戻る▲