ブログ

2016年3月17日 22時11分

人類の、ある分野における敗北

カテゴリー:日常・日記 , 税務・会計 , 話題

2週間ほど間が空いてしまいました。
十和田市内の雪もすっかり融け、ふと気付けば帰り時間になってもまだ完全に陽が落ちていない季節となっています。

少し前のことですが、3月5日は社労士会の研修で青森市へ。
「倫理研修」という、社労士が5年に1回必ず(?)受講しなければならないものなのですが、いざ始まってみると単なるビデオ研修。
以前は(又は別の県会では)グループディスカッションなどもあったようですが今回はそれも無く、約3時間ただ延々とビデオを見続けるという内容でこれならわざわざ雁首揃えて青森に集まらんでも、ネット配信でいつでも見られるようにしておけば足りるのでは…。
正直なところ内容もよく覚えておらず、ただ時計の針を見つめ「早く終われ~」と思っていました。
あんまり文句書くと、私も懲戒の対象になりかねないのでこの辺で。

話変わって、ここ最近で注目の話題と言えば、Google傘下の企業が開発した囲碁ソフトと、韓国のトップ棋士がハンデ無しで対局したことでしょうか。
将棋ソフトでは、既に並みのプロ棋士を超えるレベルにあると評価されていますが、一方の囲碁ソフトはまだまだ発展途上で、プロレベルに達するまであと10年はかかると言われていました(去年の今頃まさにそうでした)。
私も下手の横好きですが、ここ10数年来ヒマがあればネット碁を打つ程度に碁を趣味としており、その意味でもこの対局に注目していました。
「プロ棋士が勝つのは当然として、AIがどこまで対抗できるのか。」
そんなことを思っていました。

いや、まあまあショックです、この結果。
5局戦ってソフトの4勝1敗。
※相手は世界で5指に入るトッププロの一人

囲碁に必要な「大局観」、部分にこだわらず全体をイメージして判断する能力はコンピューターが苦手な分野で、人間の方が上回っていると思っていましたが、このAIはそんな偏見を見事に覆しました。
もちろんプロ棋士側も今回のAIの打ち方から学び、更なる棋力向上を図るということはあるでしょうし、今回唯一の棋士の勝利となった第4局も、劣勢から強烈なカウンターを決め逆転した見事な一局で、人類の可能性を感じさせるものではありました。
ただ、今後の成長速度を考えると人類とAIの差は開いていくのでしょう。
チェス⇒将棋⇒囲碁と続いた「二人零和有限確定完全情報ゲーム」における人類とコンピューターとの勝負は、そろそろ決着が見えそうです。

ちなみに今回の対局で使われたAIは、囲碁に留まらず、医療やビジネスの分野への転用も視野に入れているそう(むしろこっちがメイン)。
私たちが日頃お世話になっている会計ソフト分野での応用もありえるでしょう。
今の会計ソフトはクラウドも含め、精々「学習機能で正しい仕訳を予測」とか「ネットバンクと連動して通帳データを自動取込み」とかいう手間が少し省ける程度の機能なので「ふ~ん、そうなんだ」というレベルです。
しかしこの先優秀なAIが会計ソフトに導入され、「全自動の正確な記帳処理」「最適な節税策の提案」ひいては「グレーゾーンの税務リスク判断」までソフトで処理出来てしまう、そんな未来が遠くないうちに来るかもしれません。
その時は本当に税理士の仕事は無くなりますが…

LINEで送る
Pocket

ブログの一覧へ戻る▲