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2015年10月14日 21時05分

社保加入時の注意点

カテゴリー:お知らせ , 社会保険

ここ数年は建設業や運送業を中心として、国が社会保険への加入を強く指導お願いする動きが顕著です(長期間放置してきたという見方もできますが)。
つい先日も年金事務所の担当者と話す機会があり、法人については法務局から情報を入手し(法人は登記するので)、個人事業者は労働保険の手続きから所在を確認し、加入義務の有無などについて調査しているようです。
今回は、社会保険加入の前後に覚えておいていただきたい事項をお伝えします。


①保険証が届くまで
社会保険加入の手続きをとっても、保険証が即日交付される訳ではありません。
手元に保険証が届くのは2~3週間後になります。
その間にもし体調を崩し病院へ行くことになったら……ということですが、医療機関によっては「現在社保加入の手続き中である」旨を伝えれば、本来の自己負担のみでOKというところもあります。
ただ、それを認めないという医療機関では、一旦10割を窓口で払い、後日7割(又は8割)を戻してもらうことになります。
社会保険の資格取得日以降は、国保の保険証は使えないのでご注意を。

なお、保険証が届くまでの代わりとして使える「健康保険被保険者資格証明書」というものがあり、年金事務所で申請することができるのですが(こちらを参考)、会社の新規加入と同時には申請できません(なぜなら申請書に記載すべき事業所番号等がまだ無いので)。
こちらの書類は、会社は既に社保に加入済みで、従業員が新規に社保の被保険者になる場合(新規採用の場合など)に申請が可能となります。


②国保からの脱退
私の実体験でこんなことがありました。
とある会社の役員さんの確定申告をすることになり、必要書類を確認すると何故か社会保険料と国民健康保険料の両方を支払っている状態。
もしかしたら身内の分を代わりに払ってあげているのかと思い質問。

私 「あれ、親御さんと同居でしたっけ」
顧客「? いや、大分前に亡くなったけど」
私 「この国保って誰の分ですか」
顧客「ん~、自分らの分だべ」
私 「……社保に加入してんのに、何で国保も払ってんの?」
顧客「えっ」
私 「えっ」

とまあこんな感じのやり取りがあり、どうやら会社が社会保険に新規加入した際に、この方は国保の脱退手続きを失念していた模様。
すぐに保険証を持って役場へ行くように伝え、後日ちょっとした新車が買えるぐらいの金額が還付され(保険料って税金の比にならないくらい高いので)、大変驚かれていました。
ただこうしたケースはまれで、社保を負担して(=手取額が減って)さらに国保も払うとなれば、その時点で「あれ、おかしい」と普通は思うのでしょうけど。
社保の保険証が手元に来たら、忘れずに役所へ行って手続きして下さい。


③誰の扶養になるかの判定
例えば夫婦共働きのケースで、その子供をどちらの扶養に入れるかという問題がありますが、通常は稼ぎの多い方の扶養に入ります。
ただ、年収では上回っていても、毎月の収入が安定しないといった場合などには、稼ぎの少ない方の扶養に入ることもあるようです。
いずれにしても、実質的に扶養しているのは誰なのかが重要で、特殊なケースでは申立てが必要になることもあります。
ちなみに所得税で言う扶養の場合「上の子を夫の扶養に、下の子を妻の扶養に」という取扱いも可能ですが、社会保険ではこのような処理は難しいようです。

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