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2015年7月29日 21時41分

教育資金の贈与とか

カテゴリー:お知らせ , 税務・会計

平成25年度よりスタートした「子や孫へ教育資金を一括贈与した場合の
贈与税の非課税制度」ですが、信託銀行等に信託財産として設定された額が
8,000億円を超えたということで、かなりの金額の財産がこの制度を利用して
贈与されたようです。

この制度が創設された時は、あまり浸透しないのではないかと思っていました。
そもそも「扶養義務者相互間における生活費、教育費に充てるために
取得した財産で通常必要と認められるものの価額は、贈与税の課税価格に
算入しない(相続税法21条の3)」という本法の規定により、基本的には
身内が教育費を出してあげた場合は贈与税はかからないことになります
(子供の学費を親が出したときに「ハイ、それ贈与税ね」では流石に鬼です)。
ただしこのルールにも注意点があり、お金が必要なその都度の贈与でなければ
なりません。
例えば、大学に合格したお子さんに、
「4年分の学費と生活費、1,000万けでやる。これで4年間好きにせ」
というように、まとめてお金を渡すと贈与税の対象になってしまいます。
学費であれば1年分(又は半期分)、生活費であれば毎月ごとに渡す
というのであれば贈与税の問題はないでしょう。

で、上記の一括贈与の非課税制度ですが、今年の4月から若干の改正が加わり、
①外国に留学する際の渡航費用等、教育資金として認められる範囲が広がった、
②少額の教育資金については、一定金額まで領収証は不要で
明細書の提出で資金の引き出しが可能になる(平成28年1月より)、
という取扱いとなりました。
これまでよりも使い勝手はよくなっていると思います。

とは言え、信託財産として拠出した財産は、
後で取り戻せないというリスクは相変わらず。
なので、爺さま婆さまがかわいい孫のために贈与した後で、
「生活費が足りなくなったからやっぱ返して」は認められません。
やはり、ある程度対象者を選ぶ制度ではあるでしょう。

利用をお考えの方はこの点にもご注意下さい。

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